地域が変われば介護職も変わる。
なぜなら対象者が住む地域性というものがあるからだ。
「できるだけ生活している地域で最後まで」と厚労省は介護保険制度の理念として掲げている。
ということは、対象者が住む地域性を知らずして、その地域での生活を支える介護はできないと思われる。
地域性とは簡単に考えても、都市部と農村部では介護職としての関わりには違いが生じてくる。
都市部では住民全体が他所からの寄り集まりで、近隣の付き合いも乏しい場合が多い。
それぞれの住民の情報もお互いに気にせず暮らしているのでよくわからないことも多い。
しかし農村部になると、代々そこで暮らしている人ばかりなので近隣の付き合いどころか周り一円親戚ということだってある。
そのためお互いに助け合ったりする風土が既に育まれていたりする。
また隣の住民が誰かということどころか、世帯構成、嫁の出身地、嫁の親の職業まで筒抜けということだってある。
よって地域での生活を支援するということは、その方の暮らしている地域性を把握しなければ実現できない。
隣近所の共助が当たり前の風土である農村部のやり方を都市部で再現しようとしてもそれは無理というものである。
地域性ということだけではなく、交通のアクセスなどもそれぞれの地域で千差万別である。
介護職は地域性が多様であることを踏まえ、どこかの地域で上手くいっていることを応用しながら、今この地域でどうすれば対象者を支えていけるかということを考えていかなければならない。